本屋大賞から選ぶ、秋に読みたい4冊(第二弾)

読書

秋になると、自然と読書の時間が増える。
前回の記事では「かがみの孤城」など4冊を紹介したけど、今回も本屋大賞から選んだ4作品をピックアップしてみた。どれも読みごたえがあって、ページをめくる手が止まらなかった。


天地明察(冲方丁)

江戸時代初期、囲碁打ちとして将来を約束された青年・渋川春海。
けれど彼は、その「約束された人生」にどこか満たされない思いを抱えていた。算術や暦といった未知の世界に惹かれ、挑戦と挫折を繰り返しながらも自分の生き方を見つけていく。
必死に生きる姿は、読んでいて胸を打たれる。人は本気で何かを目指すと、必ず誰かが手を差し伸べてくれる——そんな優しさとつながりを感じた。夢を叶えることは簡単じゃないけど、その過程こそが人生を豊かにする。まさに“生きる勇気”をもらえる物語。


ゴールデンスランバー(伊坂幸太郎)

ごく普通の青年が、ある日突然「首相暗殺犯」に仕立て上げられる。
逃げながら、必死で生き延びようとする中で見えてくるのは、友情の力と人の温かさ。
テンポの良い展開、伏線の巧妙さ、登場人物それぞれの生き様——どれを取っても圧巻。
社会の中でどう生きるか、信じる人を守るとはどういうことか。そんな問いを投げかけてくる物語。
読み終えたあと、しばらく余韻が残る。花火のくだりが特に印象的。


同志少女よ、敵を撃て(逢坂冬馬)

第二次世界大戦中、ソ連の村で母と暮らす少女が、戦争に巻き込まれ狙撃手として成長していく。
大切なものを失い、何を目的に生きるのか——。
戦場という極限の中での葛藤と強さが痛いほど伝わってくる。
銃を握る手の震え、仲間への想い、復讐と正義の狭間。
読んでいて何度も心を掴まれた。戦争の悲惨さだけでなく、「生きる」とは何かを考えさせられる物語だった。


汝、星のごとく(凪良ゆう)

「人の目を気にして、本当にしたいことができない」
そんな気持ちを抱えたことがある人なら、きっと共感せずにはいられない。
主人公の男女二人の人生を通して、人間の矛盾や弱さ、そしてそれでも前に進もうとする強さが描かれている。
人は誰かに見られているようで、実は誰も自分のことをそれほど気にしていない。
そう分かっていても、人目を気にしてしまう。
そんな心の揺れを優しく包み込んでくれる作品だった。
読み終えて、少し勇気をもらえた気がする。


まとめ:どの作品にも“生きる力”がある

4冊を通して感じたのは、時代も舞台も違うけれど、どの物語にも“生きる力”が込められているということ。
迷ったり、立ち止まったりしても、人はまた歩き出せる。
今回紹介した作品も、それぞれの形で前を向くきっかけをくれる。

前回に続いて、本屋大賞の作品たちの層の厚さを改めて実感した。
まだ読めていない受賞作もたくさんあるので、これからも少しずつ読んでいきたい。


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